巨匠の缶つま

食材がアイデアで変わっていく。趣味どころか、夢中です。

「手抜きつまみ」を作りたい。

うちのバーのつまみは、ぜんぶ私が考えたものです。お客様にすぐお出ししたいから、というワケではありませんが、つまみは「早く作れて、美味い」ことが肝心だと思っています。自宅でつまみを作る時も同じだと思いませんか。じっくり時間をかけて作るのもいいですが、サッと作って出せれば、それに越したことはない。誰かと一緒に飲んでいるなら、なおさらですよね。だから、私がこれからどんどん作りたいと思っているのは「手抜きつまみ」。手を抜くというと語弊があるかも知れませんが、パパッと作っているのに、美味いつまみです。その点、缶詰は「持って来い」の食材ですね。そのまま食べても、もちろんいいんですが、ひと手間、ひとアイデア加えると、まったく違ったつまみに変わっていく。アイデアを考えているだけでも楽しくなりますし、それが美味しくできあがった時は、ほんと、うれしくてしかたありません。

組み合わせの妙と言われますが…。

自分の好きな食材だけを使う。それが、私のつまみ作りの基本です。好きなものは舌が覚えていますから、それに何をミックスしようか、それをどう調理しょうか、頭の中でイメージしやすいんです。考えがまとまったら、試しに作ってみる。美味しければ、ヨシ!パパッと作れれば、ヨ~シ!そんな感じです。

良くみなさんに「意外な組み合わせのレシピが多いですね」と言われますが、私の中にそういう感覚はありません。食材と食材を組み合わせる時も、好きなものと好きなものを組み合わせますし、調味料もそう。ただ、あまりたくさんの食材を混ぜないことがコツ。いくら好きな食材だけと言っても限度がありますよね(笑)。せいぜい2つくらいでしょうか。

とことん食べる、レシピ作り。

私は気になった食材をとことん食べます。あんこならあんこ、奈良漬なら奈良漬を、毎日毎日食べ続けます。食べて食べて、食べ飽きた頃に、ふと、新しいレシピが思いつくのです。食べている時は、なぜか、思い浮かばないんですよ。不思議ですよね。私もなぜそうなるのか、わかりません(笑)。

レシピを思いついても、実際につまみとして成功するのは1/3くらいですね。100個アイデアがあっても、実際に作れるか、本当に美味しいか、頭の中で考えてみて、そのうち30個くらいはダメかなと思います。それで残ったアイデアを作ってみて、半分くらいはうまくいかない。そんな感じです。ひとつ思いついて、作ってみて、ダメだからって、あきらめないことです。失敗しても、じゃ、こうしてみようか、みたいなヒントが得られることもありますしね。

食材を買いに行く時、お腹をすかせて行ってはいけない。そう言われていますよね。つい買い過ぎて、食材を無駄にしてしまうからだと思うのですが、私の場合は逆。空腹の時にスーパーに行くようにしています。すると、いろんな食材を試してみたくなるんです。たくさん買って試してみる。その繰り返し。お財布との兼ね合いもありますから、みなさんにお薦めできるやり方じゃないかも知れません。でも、買う食材が缶詰なら、保存が効きますから、その点もちょっと安心ですね(笑)。

缶つま、私なりの極意。

言うまでもなく、缶詰はそのまま食べられるよう、しっかり味が付いています。缶つまを作る際、組み合わせる食材や調味料によっては、味が濃くなり過ぎることもあります。さっぱりしたものを添えて味を整えるのも、ひとつの手ですが、私ならこうします。味の濃いつまみを1品作ったら、もう1品はさっぱりしたものを作ります。1品で味のバランスを考えるより、2品3品でバランスを取るように考えた方が、アイデアのバリエーションが広がるからです。それに、一品でお酒をちびちび飲るのもいいですが、つまみを並べて飲む方が楽しくなる。そう思いませんか。

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