缶詰雑学

ロンドンの缶詰事情

 まさかのEU離脱決定で世界に衝撃を与えたイギリスは、実は缶詰発祥の国であります。ブリキの缶を発明し、世界初の缶詰工場も作っている。そんな国で一体どんな缶詰が売られているのか、どうしても見たくなって行ってきた。

 まず目についたのがベイクドビーンズの缶詰。ベイクドビーンズは、直訳すれば焼豆になるが、実際はトマトソースで柔らかく煮たものだ。大手メーカーのものからスーパーのPB商品まで、20種類近くもあった。これをどうやって食べるかというと、バターをたっぷり塗ったトーストにどばどばかけ、目玉焼きやソーセージを添えて食べる。朝食の定番なのだそうな。

 ほかに目立ったものはスープやシチューの缶詰。アイリッシュシチューやらチキンカレースープなど、いかにも美味しそうなものが棚5段、幅一間くらいのスケールでずらりと並んでいる様はまさに壮缶。中には「デリケート・コルマ・スパイス」などという、どんな味なのか想像もつかないスープ缶もあった(あとで調べたらインド料理だった)。

 野菜類の缶詰も充実していた。にんじん、ほうれん草、じゃがいも、マッシュルームに豆類。枝豆も並んでいたのが嬉しかった。我々がいつも食べている、あの茹でた枝豆の缶詰である。日本にないのにイギリスにあるとは、一体どういうことなんでしょうなァ。

 「イギリスは食事が貧しい」と昔から言われてきたが、缶詰に関しては違った。素朴なものから凝った料理まで、想像以上に多彩でしたぞ。

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