缶詰雑学

ホルモン缶の話

 最近、すごく気に入ってる缶つまがある。それは「缶つまホルモン」というシリーズであります。

 豚モツ、鶏セセリ、牛テッポウなど種類豊富。おまけにサガリ(横隔膜の中心部分)やマルチョウ(小腸)まで揃ってるのだ! まるで焼き肉店のようではないか。

 このシリーズが素晴らしいのは、まず調理法である。「豚モツ味噌煮込」以外の商品はみんな直火焼きしてあって、その香ばしい風味がちゃんと残っている。中でもお気に入りは「牛テッポウ直火焼」というやつ。いかにもウマそうな焦げ目がついたテッポウが、ひと口サイズにカットされて詰まっている。一見すると固そうだが、食べてみると柔らかく噛みきれる。ちなみに部位は牛の直腸である。これを焼きトン屋なんかで頼むと、くにくに、うにうにしてなかなか噛みきれないのだが(それもいいのだけど)、缶詰になるとさっくりと噛みきれる。今まで味わったことのない食感である。

 気になるのは匂いだが、嫌な臭みはまったくない。とはいえ完全に無臭ではなく、軽くホルモン臭がしている。それも腸特有の匂いである。実はこの匂いを完全に消してしまうと、ホルモン類は魅力も消え失せてしまう。缶つまホルモンはその点もいい塩梅で、入手している原料にいいものを使っているという証しである。

 国分の開発担当者に話を聞くと、とにかく原料の入手にご苦労されたらしい。内臓系は一般の肉と違う流通になってるそうで、簡単には仕入れられないのだそうな。原料を持っている業者を探し、時間をかけ、信頼関係を築いていったのでありましょう。

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