缶詰雑学

缶切りの話し

世の中に缶切りという道具が誕生したのは1855年のことである。日本だと徳川幕府の末期で、1858年に安政の大獄、1860年に桜田門外の変が起こるなど、世の中が騒然としていた時代だったが、まあそれはいいとして。

 今と同じ金属製の缶詰が出来たのが1810年である。それから1855年までの45年間、缶切りのない時代が続いたことになる。この時代を缶界では「暗黒の45年間」と呼んでいるのだが、当時どうやって缶詰を開けていたのか。資料によれば「ハンマーとノミを使って切り開いた」とか、兵隊は「バヨネット、あるいはナイフで開けた」とある。バヨネットって何だろうと思い百科事典を調べたら、ライフルの先にナイフをくくりつけるアダプターだそうな。そんなものでどうやって缶詰を開けたのか、ものすごく不思議だが、まあそれはいいとして。乱暴な者になると銃撃で開けたりしたそうで、とにかく大変だったのだ。

 そうして現代。イージーオープン式が増えたおかげで、缶切りを使う機会はほとんどなくなった。それでも、一部の缶詰(とくにサイズの大きいフルーツ缶など)は、強度の問題でイージーオープン式に出来ず、缶切りが必要になる。僕も職業柄、いろんな缶切りを使ってきたが、数年前にある缶切りを知って以降、そればかりを愛用している。写真の一番左に写っているのがそれで、回転刃で缶のフチ部分を開けていくので、刃が内容物にまったく触れない。だからずっと清潔なまま使えるのだ。その名は「トッパー型缶切り」。すごくオススメですヨ。

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